20190701
午前一時半。
酔っぱらったわたしたちは、コンビニでお酒を買い、猫と戯れ、湖畔でギターを弾いた。
ひとり、またひとり帰って行って、わたしたちだけになった。
ねえ、知ってる?わたし、あなたのこと好きなんだよ。
どういう好き?
そういう好き。
俺にはもっと好きな人がいる。
要するに、またわたしは振られたわけだ。
でも、どういうわけか、前もそうだったけど、心にぐさっと刺さるような悲しみも苦しさもない。だって、あなたがわたしのこと好きだって、言葉以外ものが言ってるから。
5年後にお互い付き合っている人がいなければ付き合おうって約束してるから。今は恋愛しようと思えないし、あと、3年待ちたい。
それって、なんかさ、呪いみたいだね。
そうかも。
ねえ、その呪い、わたしなら解けるよ。
何言ってんの。
わたし、絶対その呪い解けるよ。
なんでそんな自信満々なの。
なんでだろうね。
俺も意志曲げるつもりないよ。
その言い方がもう意志弱いのみえてるのに。ばかだな。意志なんて、頭で考えた理屈なんて、そんなの吹き飛んじゃうものなのに。
どうやって呪い解くの?
わかんない。
俺はどうしたらいいわけ?
わかんない。けど、あなたが輝いてる姿を見たいってことだと思う。体と心の声に素直になるってこととか。
性欲ってこと?
違うわ、ぼけ。
ふいにキスをしてみる。前みたいに驚いてくれたらよかったのに。寸止めにすればよかった。
とにかく、俺には今好きな人がいるから。
あ、そう。
全然届かないね。
わたしの言ってることだって届いてないじゃん。
そう言ってわたしたちは笑った。
分かり合えなさを笑い飛ばせた。
午前五時半。