日々のはなし

鳥取のゲストハウスで考えたはなしとちょっとの美術のはなしをしようと思います。

旅のはなし

どうして人は旅をするのだろう。

先日、久々に鳥取を抜け出して、都会に遊びにいきました。鳥取にはない高層ビルが立ち並ぶ風景。こういう世界で生きている人たちがたくさんいるんだなあと頭の片隅で思いつつ、好きな美術展を巡ったり、お店に行ったり。

おおまかな予定だけ決めて、ふらふらする。最初に行ったお店では、半年前に仕事で出会ったとても好きなお姉さんに偶然出会えた。その帰り道はバスを逃してしまったので、歩いて駅まで向かってみる。丘をひとつ越えるその道は、都会のまちを見渡せる素敵なルートだった。

ずっと見たかった作家さんの展覧会では、偶然本人もいて、久しぶりに会えて、とても嬉しかった。ついでに一緒にお茶もして、いろいろな話をした。これまでの作品の話とか、その場所の話とか、わたしたちの今の話とか。

わたしがこれまでやってきたこと、無駄じゃないと思えたし、大事にしようと思えた。わたしが出会ってきた人、とても素敵な人ばかりで、そういう人たちと一緒にこの世界を生きていきたいし、未来をつくっていきたい。それに、鳥取に来てから自然と身についたことを意識できた気がする。これからしたいことがなんなのかというヒントももらえた。こういう偶然の出会いによってわたしの思考は更新していく。

そして、ここに来るときは毎回会う人と朝まで話す。その人といると、私の想像以上のことが起こっていくから、いつもどうしたらいいかわからなくなる瞬間がある。でもそれも楽しい。未来のためになにができるかな。この人と一緒にいつかなにかしたいとずっと思っている。

鳥取にいることはとても心地いい。住むのにはとてもいい場所だ。旅人がたくさんくるからいろんな話もできる。でも、わたしは、ずっとそこにいてはいけない。時々抜け出して、自分の目でいろんな世界を見に行かなきゃいけない。自分をわくわくさせるために、自分の価値観を更新させていくために。日常へのまなざしを変えていくために。そのために、わたしは旅をする。